2500年前の古代インドに誕生した仏教は、アジア各地のさまざまな文化と融合して変容をとげながら、それぞれの地に膨大な量の仏教文献を残しました。仏教学研究の領域においては、修士課程で経典や律典といった仏教聖典、あるいは仏教思想家の著作などのアジア各地に残された仏教文献を解読し、その思想を分析することを中心に取り組みます。また博士課程では文献を選んで指導教員のもとで解読研究を行い、その思想を分析して各自の言葉で論述することが基本となります。
浄土学研究の領域でははじめに浄土教学そのものの特質を明らかにし、仏教学はもちろん、関連分野とも比較して学際的に浄土学を位置づけ、浄土学研究方法を示します。同時にインド・中国・日本の仏教を通観する研究眼を養い、とくに浄土教の流れや諸相を正しく把握して、インドに発生し中国と日本において熟した阿弥陀仏信仰に関する理解のもとで、純粋浄土教の研究のさらなる展開と深化をめざします。原典研究と資料の吟味には徹底を期し、教学・教理・思想はもちろん、信仰実践論にいたるまで幅広い研究分野と研究方法を培って学生の研究指導に取り組む指導を行います。
仏教文化研究の領域では、日本を中心としつつ、アジア全般にわたる広い視野から「文化現象としての仏教」を研究します。経典注釈、歴史記録、文学作品などの文献資料や、絵画、仏像・神像などの美術資料、あるいは習俗や民間的な祭祀、行事などの民俗資料を対象に、思想史、文化史(美術学・書誌学)などの方法論を駆使して、仏教学、宗教学、歴史学、国文学、民俗学などに限定されない領域横断的な関心と視野の中で究明する知の実践が特徴です。永遠なるものを希求していく「人間」の営みを学びます。
社会の変化に対応して、文学専攻では、研究者養成だけでなく、広い視野をもつ高度専門職業人や高度教養人の養成にも重点を置きます。そのために、組織・入試・カリキュラムの3つにおいて
日本文学系では、上代から近・現代に至る各時代の日本文学および日本語学、書道文化、仏教文学に関する精深な学識の修得に努めることを目的とし、上代、中古、中世、近世、近・現代、日本語学、書道文化の各専門分野に専任の教員を揃えて指導にあたります。
特に、近・現代の担当者は4人おり、小説、詩歌、評論、アニメなど幅広い研究領域をカバーしています。
中国文学系では、古典から近現代に関する資料に拠って、文学のみならず、さまざまな分野にアプローチできるカリキュラムが特徴。各分野に関する専門知識を獲得し、その後に各自が専攻領域の研究を深めていきます。中国に関する幅広く、かつ専門的な知識を有し、21世紀における日中の交流に貢献できる人材の養成を目指しています。
英米文学系は、主に英米の文学作品の中から詩、小説、戯曲、評論などを研究する文学研究と英語という言語を対象とする英語学研究に分けることができます。英語教育に関する科目も開設しています。研究で扱うものは英語で書かれた文献が中心です。英語を使って話す・聞くといった能力も高めることができます。専門知識の習得だけではなく、実用的英語能力をさらに高めようと考えている人にとっても有効な学習の場を提供しています。
近年の歴史学研究は、政治・経済・文化の国際化、少子化、環境・資源問題などの社会環境の変化のなかで、一国史的な枠組みが解体しつつあり、研究・学修環境の国際化・学際化に対応して世界史的・人類史的な視野からの研究が必要になっています。専門科目の学修を中心としながら、近接分野の知識を広く学修して、多様な研究視角や研究方法に関する基礎的知識を身につけ、自らの研究を広い視野で位置づけます。
より広い視野から高度な歴史学の専門知識を習得し、独創的な研究方法を確立するために、歴史学に関する高度な専門知識と学際的な知識、専門領域や近接関連領域の研究状況・研究到達点や研究成果を踏まえて、文献読解の高度な語学力と史資料の収集・分析などの研究技能、専門的な研究の視点、分析・総合の方法、立論の方法を学修し、歴史学に関する視野の広がりや研究的思考の深化を図ります。
歴史学に関する高度な教養を身につけた人(職業人や研究者)に求められるのは、理論と実務をつなぐことのできる実践的な能力、すなわち専門的・学術的な事項を利用可能な形で社会に広く発信できる能力です。そのために、フィールドワークなど体験型の学修や、史(資)料を情報源として取り扱う知識や実践的技能の修得、歴史情報として社会に発信する史(資)料や調査・研究の成果などを情報化するための学修を進めます。