学生時代は教育学部で学びましたが、カメラマンになると決めて3年次で中退。60代が見えてきた頃、学士を取りたいという気持ちになりました。新しい自分をめざす、プチチャレンジと言ったらいいでしょうか。興味のあった中国文学を学べる通信制の大学を探し、佛教大学を見つけました。佛教大学の通信教育課程は、学部や学科の設置数が豊富。人生の中で一度は出会う、親しみのある学びの分野があるのがいいですね。
文学部中国学科に3年次編入学をしてちょうど2年で卒業。数年後に還暦になったのを機に、今度は歴史学部歴史学科東洋史コースに3年次編入学をしました。文学を学んで、作品が歴史の中でどう位置づけられたのかを知りたくなったのです。点だった知識がつながって、流れとして見えてくる面白さを今実感しています。それに、知らなかったことを知るのは単純に楽しいです。授業のスライドで、三国志の敵役で有名な曹操の頭蓋骨を見たときは、そんなものは見つからないと思っていたので、感動しました。
佛教大学には学友会という学生組織があり、地域ごとに新入生オリエンテーションや学習会などが開催されています。他の学生とも仲良くなれるし、話をするだけでも学びの意欲を刺激されます。卒業生がサポーターとしてアドバイスに来てくれる制度もあって、リポートの書き方や試験対策などのアドバイスにずいぶんと助けられました。
誰からも強制されないで勉強を続けられたこと、時には仕事より学業を優先してまでも取り組んだことに対して、自分で自分をほめてあげたい気持ちになります。卒業式に参列して得た達成感は、人生において他に得難い経験でした。二度目の卒業を目標に、さらに頑張りたいと思っています。