通信教育クロストーク

2016年11月07日
京都の不思議コンシェルジュ:転勤された大仏さまの謎

京都一大きい坐像と言われる轉法輪寺の大仏様。
実は、別の場所から移動してきたらしい?!
ぶったんが真実に迫ります!

ぶったん:
轉法輪寺の大仏様に会いに行ってきました!

伊藤准教授
京都随一の大きさと言われている木造坐像です。二丈四尺の高さ、つまり約7.2mもあるんですよ。

ぶったん:
すごい迫力でした〜。導師の席から見ると、ちょうど大仏様と目が合い、何か語りかけられているようでした。

伊藤准教授
その席の前にあった仏具を覚えていますか?

ぶったん:
はい。ご住職にも説明をいただきました。仏具の様式である関通式の発祥だそうですね。

伊藤准教授
開基である関通上人に因み名付けられました。

ぶったん:
勉強になります!大仏様が移動されたという話も伺いましたが、伊藤先生はご存知ですか?

伊藤准教授
はい。元は一条通の西の端、北野下ノ森の地に轉法輪寺はありました。大正末期、現在の御室にお寺を移転することになり、大仏様も一緒に移動することになったそうです。

ぶったん:
大仏様は、どのように運ばれたのでしょう?

伊藤准教授
詳しい記録は残っていないそうですが、当時のことなので、何か台座に乗せて牛や馬で引っ張ってきたのではないかと想像されます。

ぶったん:
なんだか、昔話の物語のようなお話ですね。

伊藤准教授
そうなんですよ。北野から御室まで約2キロ。道中、嵐電の高架電線を長い竹竿で持ち上げながら進んだそうです。どうしても一箇所、大仏様の頭が引っかかる場所があったようで。

ぶったん:
どうしたのですか?

伊藤准教授
電線を切断するか、大仏様の頭部を切断して運ぶかの決断を迫られました。そこで電線を切ることになり、大仏様は解体されることなく無事に現在の地に到着したそうです。この話は、伝説となって語り継がれています。

ぶったん:
わぁ、すごい!大仏様がご無事に移動されてよかったです。

轉法輪寺(てんぽうりんじ)
浄土宗の寺院。東三本木の轉輪寺から移転し、宝暦8年(1758)、僧関通(かんつう)が北野下ノ森に創建し、開基となる。現在の御室には、18世・仁誉俊孝の時、知恩院門跡・孝誉現有大僧正の援助により、昭和4年に移転。本尊は、本堂に安置されている阿弥陀如来坐像。観光拝観はできないが、参拝は自由(電話にて事前連絡必要)。

仏教学部 仏教学科について
仏教が地域や時代の中で、人間の心をどのように見つめ、受容されてきたのかを、「浄土・仏教」「仏教文化」の2コースで、思想史や文化史の立場から研究します。文献を中心に、思想・歴史・言語・文芸・美術などの研究方法を取り入れた、人間をみつめ、自身を見つめなおす学科です。

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