通信教育クロストーク

2016年10月07日
京都の不思議コンシェルジュ:健康に効く五山の送り火?

京都4大行事である「五山の送り火」が健康に効く?!という噂を聞きつけ、ぶったんがその謎を追求に向かいました!

ぶったん:
「大文字の送り火が健康に効く」と聞いたのですが、どういうことですか?

大谷教授:
送り火の日に点火している大文字の「大」の字を、お酒や水の入った杯や丸いお盆に映して飲むと、無病息災で1年間暮らせるという言い伝えがあります。

ぶったん:
へぇ~!知りませんでした。

大谷教授:
京都には今でもその言い伝えを実際に行っている人がいるんですよ。

ぶったん:
おもしろい! 人々は、大文字に願いをこめているんだね。
他にも何か言い伝えがあるんですか?

大谷教授:
送り火の点火のために焚かれる護摩木をめぐる言い伝えがあります。「無病息災」などの本人の願いごとを護摩木に書いて奉納すると、それが叶ったり、自分の名前と病名を護摩木に書いて奉納すると、その病気が治るという言い伝えもあります。これらは庶民の現世利益信仰のあらわれです。

ぶったん:
送り火って庶民の願いをかなえてきたんだね!

大谷教授:
でも、そうした現世利益信仰が送り火の本来の目的ではないんだよ。じつは、もともと五山の送り火は、お盆の始まりに自分の家にお迎えした先祖の霊(精霊)をあの世(他界)へ送り返す盆行事の一環なんです。護摩木も生きている人の願いごとをかなえるだけでなく、先祖の名前を書いて供養するという役割もあるんです。

※写真は左大文字

ぶったん:
護摩木は特別な人しかできないんですか?

大谷教授:
いえいえ。地元京都の方でなくとも、観光客の方でも奉納できるんですよ。「妙法」以外の4つの山で受け付けています。

また、送り火の消し炭(から消し)も、1年間の厄除けなどのご利益があるとされて、半紙にくるんで水引という帯紐でくくり、家の戸口に飾られたりしているんだ。

ぶったん:
どのように手に入れるんですか?

大谷教授:
大文字のみですが、送り火翌日の朝早く暗いうちから山の上に取りに行くんです。登る時間が早ければ早いほど、大きな消し炭が手に入ると、多くの人が登山しています。
ただ、大文字以外は立ち入り禁止なので、注意して下さいね。

ぶったん:
ぶったんも、五山の送り火にまつわる言い伝えを実践して健康を願おうと思います!

大谷教授:
ご先祖様の供養も忘れないでくださいね(笑)。

五山の送り火
毎年8月16日午後8時から5つの山(厳密には6つの山)で点火がされるかがり火のこと。
東山如意ケ嶽の「大文字」、金閣寺大北山(大文字山)の「左大文字」、松ヶ崎西山(万灯籠山)・東山(大黒天山)の「妙法」、西賀茂船山の「船形」、及び嵯峨曼荼羅山の「鳥居形」を総称して「五山の送り火」と呼ばれる。京都の盆行事の一つ。
※写真は左大文字

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