私は寺社巡りや仏像鑑賞をライフワークとし、特に京都が好きで年間10回は訪れるほどです。寺社や仏像について自主的に学び続けてきましたが、次第にそれだけでは満足できなくなりました。また、身内の葬儀をきっかけに仏教への関心が高まり、大学で専門的に学びたいという思いが強くなりました。
当時は高校の数学教員として働いていたため、仕事を続けながら学べ、仏教を専攻できる通信制大学を探しました。その中で、京都にキャンパスがあり、仏教を専門とする大学教員から学べる佛大通信に魅力を感じ、入学を決意しました。卒業論文が必修である点も私にとって大きな魅力でした。
長年教壇に立ってきた私にとって、オンラインによるスクーリング(面接授業)は驚きの連続でした。先生が提示する資料や画像をパソコンで鮮明かつ詳細に確認できるうえ、授業中に気になる点があれば手元のパソコンですぐに調べられる環境は、まるで個別授業を受けているかのような贅沢さがあり、学びに一層集中することができました。
テキスト学習では教科書に加え、関連文献や資料を数多く読み込みました。その過程で新たな発見が次々とあり、それがさらに次の文献を調べるきっかけとなり、興味と知識が無限に広がっていくことを実感しました。
文献検索は佛教大学附属図書館をフル活用しました。豊富な専門蔵書に加え、実書を郵送で借りることができ、資料の送付もスピーディーで、東京在住の私には大変有難かったです。また、通信事務局には、様々な質問に丁寧に対応いただき感謝しています。
学習の集大成として取り組んだ卒業論文では、東大寺二月堂の秘仏本尊「十一面観音(大観音・小観音)」をテーマに選びました。現地を訪れて自身の視点で考察を深め、大変苦労しましたが、担当教授のご指導のもと論文を完成させることができました。その結果、卒業時には「優秀論文賞」という光栄な賞をいただきました。
卒業後も学びへの意欲は尽きることがなく、現在は大学院進学を視野に入れ、仏教のさらなる探究を続けています。教員時代には、生徒たちに自ら学ぶことの大切さを説き、そのきっかけを与えることを心掛けてきました。教員を退いた今、学びを続ける機会を与えてくれた佛大通信には深く感謝しています。
(2024.12)