人生の残り時間を考えると、本当に自分が好きなことをしたい。そう考えて選んだのは、長く親しんできた文学について大学で学ぶことでした。絵本や児童文学は子どもたちが幼い頃から私の生活の身近にあり、「万葉集」をテーマにした旅を楽しむなど古典にも興味があったことから、佛大通信の日本文学科に入学しました。
初めての大学での勉強は戸惑いの連続でしたが、少しずつ慣れました。自宅学習ではシラバスやテキストを音読し、内容をしっかり理解するまで取り組みました。一番苦労したのは、リポートの作成。何度か再提出した科目もあります。でも、そのたびに先生がくださる丁寧なコメントに励まされて頑張れました。
スクーリングでは、専門知識を持たれる先生のお話を直接聞き、知る喜びがどんどん増していきました。「万葉集」を学ぶ授業では、これまでに訪れたゆかりの地の記憶と、先生に教わった知識がつながり、理解が深まりました。そして、受講生と過ごした時間の楽しさも忘れられません。年齢も経歴もさまざまですが、文学が好きで学びたいという同じ思いを持つ仲間との会話が弾みました。
先生には「考えなさい」とよく言われました。大学での勉強を通じて「考える」という経験を繰り返し、よく考えて本質を見極めることで理解が進むのだと気づけました。普段の生活でも、本質が分かっていればいいと、大らかな気持ちで人と付き合えるようになりましたね。
今は、通学課程の大学院で学んでいます。作家・あまんきみこさんをテーマにした卒論で、研究し残した点があると感じたからです。
佛大通信で学んだことを活かし、修論に取り組んでいます。通信、大学院と学び続けることを理解し、応援してくれている家族に感謝しながら、勉強を続けています。