通信教育クロストーク

2024年03月02日
教員×学生 座談会「自宅学習だからこそ、丁寧な指導が心強い」

自分のペースで学べることは通信教育課程の大きなメリットですが、自宅学習で学びが深められるのか、卒業・修了できるのか、不安はなかなか消えないもの。そこで佛大通信で学ぶ学生二人と、生涯学習機構長であり、科目担当でもある歴史学部の貝教授に通信教育課程で学ぶことについて、語ってもらいました。

(写真左から)
貝 英幸教授(歴史学部 副学長兼生涯学習機構長)
小谷 深乃さん(学部(本科)教育学部教育学科4年)
三橋 考さん(学部(本科)歴史学部歴史学科2023年9月卒業後、継続入学)

学びの意欲が引き出される先生からの細やかな講評

 佛教大学の通信教育課程(以下、通信)は通学課程と同じ教員が指導を行っています。今日は通信で学ぶお二人に話を伺いたいと思います。早速ですが、佛大通信に入学した理由を教えていただけますか?

三橋 定年が近づいてきたときに、大学に入って好きな歴史を勉強したいと考えました。佛大通信への入学を決めたのは、インターネットで貝先生の記事を拝見したのがきっかけです。

 私は三橋さんの指導教員を務めていましたが、初めて面談した時のことをよく覚えています。

三橋 あの時は、あこがれの先生に会える喜びで、舞い上がっていました(笑)。

小谷 私は家族で祖母を自宅介護しているため、通学課程の大学では両立が難しく、進学を保留にしていました。ですが塾でのアルバイトで教育に興味を持ち、通信なら自分のペースで学べるだろうと、高校卒業の2年後に入学しました。

 通信ではテキストを読んでリポートを提出する自宅学習が基本ですが、戸惑うことはありませんでしたか?

小谷 まずはリポートで書くべき文字数に驚きました。ただ、最初に履修した科目でリポートの書き方の解説動画があり、実際に書く際には参考にすることができました。

三橋 私は会社員の頃に書いていた書類とは全然違うことに戸惑いました。ですが「学びの支援サイト」にある「リポートの書き方学習動画」を手本に、まず1本目を提出しました。すると、先生から非常に細やかな講評が戻ってきたのです。「…のように考えたり書いたりするとよい」と、論点や展開について丁寧にアドバイスいただき、試行錯誤するうち、学術的な思考力や文章力が高まっていきました。

 通信だけでなく、大学生の学びに文章を書くことは欠かせません。通学課程の学生も最初は苦労していますよ。

小谷 私は学ぶうちに興味が広がって、リポートの論点がずれることがあります。ですが先生方は私の発想を活かしつつも、軌道修正できるよう講評してくださいます。のびのびと学べて、本当にありがたいです。

 教員にとってリポートは、学生の学びの深度を知る手がかり。小谷さんのようなタイプもいれば、あえて厳しいことを書いたほうが発奮する学生、課題を次々に与えたほうがうれしい学生もいます。各人に合ったアプローチで、やる気を引き出すよう心がけています。各教員とも講評には時間をかけているんですよ。テキスト履修のほか、スクーリング履修もありますが、受講した感想はいかがでしょう。

小谷 スクーリングは対面とオンラインの両方の科目を受講したのですが、グループワークがとても楽しかったです。教育施策について話し合ったときには、子どもを持つ主婦や教育関係の仕事をされている方たちは自分とは視点が異なり、視野が広がる思いでした。さまざまな学生が在籍している通信ならではの経験だと思います。

三橋 私は対面受講が必須の科目がなく、すべてオンラインでした。千葉県在住なので、交通費と移動時間がかからないのがいいですね。チャット機能があるので、質問もしやすかったです。

 佛大通信では、オンラインで受講できるスクーリング科目を増やしています。教員にとってもオンラインのメリットは多いんです。私はタッチペンを使って画面上で添削や書き込みをしながら授業を進めています。教員間でも互いのノウハウを共有していますので、今後さらに授業の精度が向上していくだろうと考えています。

オンラインの学修支援や図書館、学生組織をフルに活用

 リポート作成や卒業論文の執筆など、大学の学びには専門的な資料は欠かせません。お二人はどうされていますか?

小谷 私は大阪に住んでいるので、必要なときは佛教大学の図書館を利用しています。学食にも行って学生気分を味わっています。

三橋 私は国会図書館や県立図書館を利用していました。自宅にいながらにして資料の取り寄せができるのは、便利な時代ですね。

 佛教大学の図書館にはBIRD(バード)というポータルサイトがあり、さまざまな資料にアクセスすることができます。もちろん通信の学生も利用できますし、私も愛用してい
ます。これほどの規模のポータルサイトを持つ大学は多くはないので、佛教大学の自慢のひとつです。

三橋 BIRDは私も利用しています。スマホからもアクセスできるので本当に便利です。遺跡や寺社仏閣に足を運ぶことが多いので、外出先でもよく閲覧しています。

 BIRD以外にも、佛大通信ではB-netをはじめとするオンライン支援も用意しています。

三橋 B-netで効率的に学べている印象です。あと、質問システムも活用しています。手続き上の疑問もオンラインで質問できるので安心。リポートの締め切りや科目最終試験の情報をメールで届けてくれるのも、ありがたいですね。

 学習に関する質問が届いた時は、我々教員が、責任を持って返信させていただいています。

小谷 学友会(学生組織)の活動が活発なのも佛大通信の魅力だと思います。私は学友会の役員でもあり、企画部長として2年連続で交流会イベント「夏の祭典」の実行委員を務めました。今年はリアルとオンラインの同時開催で謎解きイベントなどで懇親を深め、学生生活を満喫できる良い機会になりました。

三橋 私は学習会で他学部の学生さんと意見交換できたのが楽しかったです。

小谷 佛大通信での充実した学生生活に、母も安心しているようです。

 最後に、今後の目標について伺いたいと思います。三橋さんは歴史学科を卒業後、歴史文化学科に継続入学されましたね。

三橋 卒論で近年話題の環境史を扱ったことがきっかけで、さらに考古遺物や古地図に触れたいと歴史文化学科で学び続けることにしました。大学での学びは貝先生をはじめとする研究者の長年の成果に触れられる貴重な機会。先生方の知識の源に少しでも近づくのが目標です。

小谷 私は教員を志望していたのですが、勉強する中でヤングケアラーの問題などを知り、子どもたちに生き方の選択肢が広がるような活動ができる人間になりたいと考えるようになりました。まずは卒業が目標ですが、大学院進学も検討しています。

 これまでの日本では、高校から大学、そして就職と進路が固定化されていましたが、それも変わりつつあります。高校卒業後すぐに大学に入らなくても、気づきや目的が生まれたときに勉強する人が増えています。学びの目的が多様化する中で、人生を豊かにするための学びとサポートを提供することが、これからの佛大通信にはより大切なことだと考えています。今日はお話を聞けて非常に有意義でした。ありがとうございました。

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