通信教育クロストーク

2015年10月23日
学習体験記 仏教学科卒業生T.Sさん

仏教学部 仏教学科 仏教文化コース 卒業生

 私は、退職後65歳の時、仏教の知識を身につけようと思い、最初本学の教養講座「仏教教養コース」に入学しました。学習しているうちに本格的に取り組みたくなり、講座修了後、仏教学部2年次に編入学しました。

 私は仏教学を広く学びたかったので、仏教文化コース3年次に編入学するつもりでした。しかし当時、仏教学部が新設で3年次がなかったのです。人文学科の仏教コースに編入学しようかと迷いました。そんな時、教養講座受講生でしたので『佛大通信』が届きました。そのなかで齊藤隆信先生のエッセーで「急がば回れ」という文章が掲載されておりました。その文章を読んで、仏教学部の2年次編入学するのも良いのではないかと思うようになったのです。そして「急がば回れ」で2年次に入学したわけです。今になって思うと、2年次編入学で共通教育科目を学んだことは大きな収穫になっております。特に歴史学部の八木透先生、渡邊秀一先生のスクーリング履修で京都学を学んだことは、新潟から出てきた私にとって京都を知るうえで大変有意義なものでした。受講後、実体験で平成25年には家内と京都の愛宕山登山、京都の町並み歩き、平成26年には祇園祭見物を経験しました。京都学を学んだ後の観光でしたので良く理解できて、ますます京都が好きになり、祇園祭の山鉾後援会の会員にもなりました。見物にあたり八木先生に大変お世話になり有難かったです。

 学習計画としては、リポートの書き方の基礎を学んでから取り組んだのが良かったと思っております。テキスト履修、スクーリング履修にしても必ずリポートを提出しなければなりません。リポートの基本的なルールを学ぶことによってスムーズに取り組むことができました。急がば回れということです。私は基礎教育科目の「自立学習入門」の講座が役に立ちました。

 テキスト履修について新潟の試験会場では奇数月に科目最終試験があったので、基本的にはそれを毎回一科目づつ受験するようにしました。これはおおむね実行できたと思います。毎回受験するには、1カ月間はリポート作成、もう1カ月間は試験対策です。67歳で学部入学ですので記憶力が衰えていて、それなりに大変でした。なお、試験会場での支部学習会には出席するようにしました。新潟支部の金井学習サポーターには、色々アドバイスしていただき大いに助かり感謝しております。学友会の皆さんとも交流できたのも良かったです。

 スクーリング履修について、スクーリングの計画については無理しないように自分のペースでやりました。通信教育は家にこもって学習しているので、先生と学友とが接するスクーリングが楽しみでした。私はスクーリングが単年度に集中しないようにバランスよく受講しました。複数年度にバランスよく受講する方が、先生や学友との交流が継続し、学生生活の実感が続くので良かったと思っております。昔、大教室での講義が多かった私にとって比較的少人数の講義は魅力的なものでした。少人数だけに講義ではよく当てられます。サッパリ予習をしていかなかった折に当てられて恥をかいたのが懐かしく思い出されます。スクーリングでの縁で、卒業後もお付き合いしていく学友にも恵まれました。お互いに卒業を目指して情報交換して交流を深めた学友です。

 スクーリングの時は、ぜひ大学の図書館を利用すべきだと思います。私はスクーリングの予習復習に大いに利用しました。職員の方も親切で、館内も快適な環境で、きっと学習の能率も上がることと思います。私は、参考文献の貸出しも利用しました。今になって思うのは、自宅からの貸出しを利用しなかったのが残念に思っております。

 卒業論文について、私は4年次でテキスト履修とスクーリング履修を修了し、5年次の6カ月で卒業論文に本格的に取り組もうと計画しました。不器用なので、あれもこれもとできないのです。4年次までは卒業論文は準備期間として、指導の川内先生と研究課題についてしっかり検討したり、資料や参考文献を検討したり、主となる参考文献を読んだりしておりました。5年次になって、前年度に下準備をしておりましたので大変ながらもどうにか計画通りに完成することができ、9月に卒業することができました。

 論文のテーマは、「『沙石集』の仏法観」というものです。これは2012年学友会新潟支部学習会で、仏教学部長の川内教彰先生が来られて、鎌倉時代の庶民仏教説話集、無住著『沙石集』をとりあげて講義していただきました。川内先生のお話では、無住は宗派にこだわらない「万行一門の思想」で、行の専修にもこだわらない僧である。鎌倉新仏教の祖師たちと全く違った目線で仏教を眺めているユニークな僧侶であるとのことでした。私はこの無住に大変興味を持ちました。私はこの講義を受講して卒業論文のテーマを決めたのです。この卒業論文は卒業式で優秀論文賞をいただきました。これは学部長としてお忙しい川内先生と何度か打ち合わせをして、適切なご指導をしていただいたお陰と感謝しております。

 私は、卒業論文をどうにか書き上げたものの、自分は現時点で無住の『沙石集』研究の入り口に立ったばかりの状態であることに気づいたのです。そんなわけで私は2015年4月から大学院に入学して、無住を中心として鎌倉仏教について研究を深めるつもりです。

 皆さんに助けられて、どうにか2014年9月に卒業することができました。お世話になった皆さんに感謝です。通信教育の学習は独りよがりになりがちです。学習会やスクーリングに出席して、先生・学習サポーターにご指導していただき、そして本気で卒業を目指している学友と交流して語り合うことです。自ずから道が開けます。

 

~プロフィール~
2011年4月 佛教大学通信教育課程
       仏教学部仏教学科仏教文化コース2年次編入学
2014年9月 同卒業

(佛大通信2015年10月号より)

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