社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
歴史学部 歴史文化学科 卒業生
入学のきっかけ
私は、昭和50年大学に入学しました。当時、歴史学を勉強したい気持ちもありましたが、将来の就職を考え経済学部を選択しました。そのため、入学後も趣味で歴史を勉強し、奈良や京都の寺社・博物館に通っていましたし、就職後はNHK学園の通信教育や民間の講座に参加していました。退職後は歴史学を基礎から勉強したい、というのが私の夢でした。
50代半ばとなり、記憶力や理解力が衰え始めた頃、職場のホームページに部長ブログのコーナーが始まりました。特に決まったテーマがあるわけではなかったのですが、皆が所管の業務紹介や業務報告を中心に作成する中で、私は好きな歴史や文学を絡めて仕事4割、私事6割で始めました。
ブログは約2カ月に1回程度で、奈良や京都を度々訪れるようになりました。ブログを書くなかで、本格的に歴史を勉強したいという気持ちと元気なうちに始めたいという気持ちから大学の通信教育を受けてみようと決断しました。佛教大学は、部下が同大学院で民俗学を学んでいましたし、京都を勉強したいという気持ちがありましたので、歴史文化学科の京都学コースに後期3年次編入いたしました。
私の家では、長女が大学4年生、次女が2年生、長男1年生の全学年に在学中の学生一家になりました。
私の学習計画
私はできたら2年で卒業、という程度の予定でしたから、具体的な学習計画は立てず、1年目にできるだけ多くのテキスト履修を終え、スクーリングに参加するよう考えていました。そのため、テキストは最初に10冊程度購入し、参考文献は子どもたちの大学の図書館で借りることにしました。
最初の3カ月は通学課程の学生のように修得予定科目をすべて勉強し始めましたが、仕事の合間学習では遅読のうえ記憶力などの衰えから睡眠時間の削減となってしまい、これでは体が持たないと4科目集中学習に変更しました。
科目最終試験は1日に4科目受験が可能ですが、さすがに4科目のリポート作成は大変で、2科目受験としました。2回目も2科目受験で、3回目からは1科目受験を毎月こなし、1年で終える予定としました。
スクーリング履修は、大半が必修ですが、在職中の平日授業は受講に無理がありましたので、仕事の許す範囲で調整することとしました。
テキスト履修(T履修)
T履修は、通信教育課程の中心教育で自学自習の基本です。しかし、一人でテキストを読み、リポートを作成し科目最終試験に合格していくことに負担を感じる人もいるでしょう。リポート書き方学習会に参加したくらいではなかなか良い文章は書けないし、シラバスを読んでも試験にどう対処していいかわからない。私自身、自分で作ったQ&Aも覚えられないし、テキスト以外の本も多く読み、頭がごちゃごちゃでした。
今考えれば、最初は支部の仲間から指導を受ければ良かったな、と思います。
私のテキスト学習を具体的にいいますと、前述したように最初の3カ月間、修得予定科目の学習を始めており、4カ月目は月の半ばまで4科目を学習し、月後半は2科目のリポートを作成、5カ月目に入り、3日を目途にリポートを提出、その後再び残り2科目の学習とリポート作成にかかりました。6カ月目に入り3日を目途にリポートを提出、その後、最初の2科目の試験勉強を行ない受験、受験後は翌月3日を目途に新たな1科目の学習に入りました。7カ月目には1科目リポートを提出し、2科目試験勉強、受験後新たに1科目の学習を始めました。その後は月1科目のペースで進めました。
結果論ですが、最初の3カ月間予定科目をすべてやり始めたのは非常に負担でしたが、6カ月目の1科目の学習は全く一(いち)からの出発ではなかったので、以降の学習は意外とすんなりといったように思います。また、最初の2科目は2単位科目2教科、次が2単位科目と4単位科目、そして以降は4単位科目1教科としました。結果として、ほぼ1年間でやり遂げることができました。
スクーリング履修(S履修)
S履修は大学教育の基本ではないでしょうか。シラバスにある学習の意図するところは、直接先生の指導を受ける中で実現するように思います。テキストや配布資料にない情報・知識を学ぶ機会であり、学生同士の情報交換や図書館の利用など大学生を実感する機会でもあります。
私は、3年次京都のO大学の博物館セミナーで古文書初級講座を受講、4年次大阪のO大学で聴講生として日本史概説を学びました。大阪のO大学では、授業中私語は多いし、先生が出す問題に答えられない学生も多く、前3列の学生のための講義という風景でした。しかし、これはこれで楽しいのだろうな、と自分の若い頃を思い出して聴講しました。
佛教大学通信教育課程の学生は皆さん熱心で、よく勉強をしています。短期間でも親しくなって仲良くされています。通学課程の学生さんにはないものを感じました。
論文作成
私は、入学後まもなくS履修で論文指導を受けましたので、具体的なテーマはなく、まずは仕事関連の「まちづくり」をテーマとしました。S履修での何人かの先生から論文指導をいただく中で、少しずつ研究したい対象が変わり、3年次修了と同時に退職し、テーマを再設定しました。S履修を除けば、4年次は論文作成のために多くの時間を費やし、多くの本を読んだように思います。歴史地理学や民俗学、考古学など歴史学の周辺学問から教わることも多かったように思います。テーマも研究対象も幅広く、指導の佐古愛己先生から検討課題を絞ってオリジナリティを出すことなどをご指導いただきました。十分指導に応えられませんでしたが、草稿に比べ提出論文は、自身の考えを増やしまとめられたように思います。
おわりに
2年間の学生生活で私が感じたことは、通信課程の学生は「必ず卒業する」という意識を常に持つことが重要であるということでした。ただ勉強したいだけなら、聴講生や講座生で十分です。卒業という目的がないと特に社会人は長続きしません。ぜひ、卒業を目指して頑張ってください。
最後に、私が卒業できたのは、家族の理解と協力のおかげだったと思います。改めて感謝したいと思います。
~プロフィール~
2012年10月 佛教大学歴史学部歴史文化学科 3年次編入学
2014年9月 同
(佛大通信2015年8月号より)