社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
9月21日・22日の両日にわたり、仏教学部教授(前学長)の山極伸之先生をお迎えし北海道ブロック学習会が開催されました。
講義テーマは「インド仏教の理想と現実」とし、インドにおける仏教教団は、理想と現実の狭間で食に対する姿勢をどのように保っていたのか。この点について律蔵を資料として眺めながら、インド仏教教団の実像に迫る。という内容で講義いただきました。
21日は24名、22日は13名が受講しました。
仏教成立期のインドの社会状況、釈尊当時の仏教教団の成立の仕組みについて具体的、かつ解りやすく講義いただきました。
講義内容要約は以下の通りです。
① 仏教の勃興した紀元前5世紀前後はバラモン教を主流として、そのほかに「沙門(シュラマナ)」と言われたバラモン教以外の新興思想の勃興期であった。
② 釈尊もそうした「沙門」のひとりであり、釈尊の教えは、その弟子の拡大によってサンガといわれる仏教教団が組織化された。
③ サンガの維持拡大のために修行環境を確保するための組織の構築とその組織維持のための規則が制定され、その規則は自発的な倫理的な規範である「戒」と、組織の一員として守らなければならない「律」があった。(戒には罰則はないが律には罰則がある。)
④ サンガの修行の基本は「乞食(こつじき)」であり、食にかかわるものであった。その基本は、自ら生産活動(調理・食の貯蔵)を行わず、食は在家者からの布施(施食=残り物)のみによるというものだった。その食の得方、それに対する「律」を見ることによって、当時の仏教集団の様子が見えてくる。そしてその「律」は、仏教を支える当時のインド社会の「許容を意識」することで成り立っていた。
以上、文責者の理解レベルによる。
仏教は日本社会に定着しているとはいえ、なかなか「釈尊の時代」を学ぶ機会は少なく、とても有意義な講義でした。
21日の講義終了後は、教授を囲んで21名の参加で懇親会を開くことができました。普段、なかなか教授と語らう機会は少ないのですが、教授から「仏教との出会い」等の話もいただき、和やかな語らいとなりました。もちろん、久しぶりに会う学友との会話もいつになく盛り上がりました。さらに、懇親会の後に、最近の札幌名物である「〆パフェ」にも9名参加していただきました。皆さんぺろりとパフェを平らげて、やはりスイーツが入る「別腹」があるようです。