社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
仏教学部 仏教学科 卒業生
私は夫の仕事の都合で、2005年から2009年をタイのバンコクで、その後シンガポール、ソウルへと移動し、昨年2017年の終わりから再びバンコクに住んでいます。2005年にタイに引越した時、タイでは仏教を初めとする宗教が人々の日常に深い関わりを持っていることに驚き、仏教にとても興味がわきました。幼いころからキリスト教系の学校で育った私にとって“祈る”ということは日常的ではありましたが、お寺によく足を運び、祈り、徳を積むタイ人の姿はその後の私の人生に大きな影響を与えました。タイの仏教と自分の生まれた国の仏教についての違いをタイ人と話す機会も増えていき、仏教を学問として学びたいと願うようになりました。そこでどのように勉強していこうかとネットで検索したところ、佛教大学を知り、仏教学科への編入学を決意したのは2015年秋のこと。当時は韓国ソウル在住でした。まずは説明書をとりよせ、ソウルから通っていく決心を夫に告げました。2016年の正月の休みに日本へ一時帰国し、家族と過ごす時間の合間に、願書に必要な書類を健康診断受診を含め、一気に集めました。義理の妹に留守宅の書類の世話係を依頼して了承を得たので、まずは願書出願。無事に受理され入学が許可されました。
ところが送られてきたスケジュールをみたところ、想像以上に実際に大学に出向くスクーリング科目の多さと、スクーリング後のリポート提出期間の期限の短さに無謀だったかな…とちょっと心配になりました。2週間連続の土日2日間のスクーリング参加を週末のたびに飛行機で行くか、京都に長めに滞在するか…、夫からもやりきる自信があるのかと聞かれましたが、通信制とはいうものの卒業すれば学士をいただけるのだからそんなに甘くはないのです。やりきるのにまず必要なことは「私自身が決める」こと。私が決めると夫が飛行機の手配を全てしてくれ、学生生活がスタートをきりました。2週間連続、土日2日間のスクーリングを受講するときは思い切って京都に長く滞在することにしました。滞在先は東横イン四条大宮。部屋はせまいですが、リーズナブルでスタッフの対応もとてもよく、部屋にはベッドと小さなテーブルがあって、復習やまとめも部屋でできました。バス便が便利で大学へはバス1本。たまには大好きなお寺を訪れたり、海外から行く私にとって京都駅周辺での日本の洋服や食べ物の買出しまで、すべて楽にできました。
京都へは飛行機の遅れやスケジュールの変更を考慮してスクーリングの前々日の木曜日に入るようにしていました。そして京都での過ごし方は、1週目の土日スクーリングが終わると、平日は終えた科目のリポートを図書館で完成させ、事務所に持参して提出。そしてテキスト履修のリポートのための資料の検索。日本国内にいたとしても仏教関係の書籍を探すのはむずかしいのに、ソウルに戻ってからでは書籍はまず手にはいりません。そこでシラバスに書かれている書籍、ネットで検索しておいた必要な書籍を、それぞれ図書館で探して一部をコピーしたり、大垣書店で購入しました。2週目の土日のスクーリングは、放課後にすぐ図書館でそのリポートに必要な資料の検索とコピー。リポートの準備だけをして月曜日にはソウルに急いで帰国。帰国後すぐにリポートを完成させ、翌日か翌々日にはEMSで京都に送りました。幸い韓国は郵便事情のよい国。受講後10日以内のリポート提出もなんとかこなすことができました。
テキスト履修のリポートも月末にソウルからEMSで発送。翌々月に飛行機で東京に来て受験しました。そのときはつかのま、家族との時間を持つこともできました。そして2017年になり4年生になると卒業論文。こればかりはソウルからどのように進めるのがいいかを考えました。多数の資料や先行論文が必要だからです。ネット検索では限界がありました。思い切って数週間、京都にこもって図書館で集中的にとり組むのがいいのか…、しかし、ここでラッキーなことが起こりました。夫の日本帰国が決定。年末には、また海外駐在になるとはいうものの、とりあえず春先から数ヶ月は日本です。そこで帰国すると早速、永田町の国立図書館に登録に行き、ここで資料を集めながら、日々家で取り組み、面談は4年次に受ける夏のスクーリングや授戒会のときに担当の先生にお時間をいただきました。11月末の最終提出前に夫がバンコクに赴任し、私もビザ取得のためにタイと日本を行き来しながら、PCと大量の資料をバンコクのアパートに持ち込みそこで仕上げました。かなりぎりぎりになり、提出期限には間に合うか不安でしたが、いわゆるダメ元で急ぎ京都へ送りました。担当の先生がていねいに面倒を見てくださり、清書許可をいただくことができました。そして私はバンコクに引越。年が明け、京都から留守宅の妹の元に送られてきた清書許可のでた論文を、妹からバンコクに一旦送ってもらい、私が正式にファイルした清書論文をすぐさま妹に送付。妹が郵便局から大学へ論文の送付や払い込みを代理でしてくれることで提出を完了。2月の口頭試問にはバンコクから出向きました。
このように学習体験記としてまとめてみると、入学を許可してくださった学長、論文担当の先生と副担当の先生、スクーリングで出会った先生方や諸先輩方、対応の早い大学の事務所、そして家族。みなさまのおかげで私は無事に大学を卒業することができました。
スクーリングでみんなで訪れたお寺での校外学習など、京都での思い出はたくさんありますが、ここで私は一旦京都での学びを終え、次はタイで新たな学び。また、違った形で仏教に接していこうと思っています。ありがとうございました。佛教大学でのすべてのご縁に感謝して合掌。
~プロフィール~
神奈川県茅ヶ崎市出身。
2005年よりタイ、シンガポール、韓国在住を経て、現在は、タイのバンコクに在住。
2016年4月 佛教大学仏教学部仏教学科3年次編入学
2018年3月 同卒業
(佛大通信2019年3月号より)