通信教育クロストーク

2018年06月17日
学習体験記 英米学科卒業生(Y.Kさん)

文学部英米学科卒業生

 私が佛教大学文学部英米学科に編入学したのは2年前、30歳になってからでした。最終学歴であった高専を卒業してちょうど10年、小学生の子どもが2人いる生活の中での履修となりました。

 私は高専でも英語を専門的に学んではいたのですが、明確な目標があったわけでもなく、現役当時は堕落した学生生活でした。その後、一般企業に勤めたり、家庭に入ったりという生活をしながらも、心のどこかには英語に携わる仕事がしたいという未練がありました。そんな私が、高校での事務補助のアルバイトを通して尊敬できる先生方に出会い、通信制大学での教員免許状取得という選択肢を知り、家族の同意を得て、佛教大学に編入学することになったのです。

 編入学後、最初にしたことは、届いた書類一式すべてに目を通し、リポート、科目最終試験、スクーリングの計画を立てたことです。私はうっかりが多いので、テキストの一覧、スクーリングの申込期間、交通機関の予約スケジュール、スクーリングの際の宿泊先の候補まで、すべて忘れないようにまとめておきました。仕事や育児、そして学費のことを考えると、最短の2年で必ず卒業したいと思い、ぎっちり予定を詰め込みました。また、編入学して間もなく、近隣で新入生オリエンテーションがあり、そこでは境遇の似た友人ができました。

 予定表に沿って、1カ月に2科目か3科目ずつ、リポートを書いていきました。最初の頃は勝手が分からず、まとめるのにも一苦労でしたが、2カ月目を過ぎリポートが返送されてくると、評価をいただけた点や至らない点などを具体的に知ることができ、次のリポートに生かせるようになりました。子どもが起きている間に自分の勉強をすることは難しかったので、いつも子どもが寝静まってからが勝負でした。深夜2時、3時までリポートを作成し、翌日は疲れてぐっすり眠り、その次の日はまた睡眠を削って取り組む、ということを繰り返していました。

 リポートを提出すると、翌月にはその科目の試験がやってきます。過去に出題された問題の情報を収集し、自分が「ここかな?」と思う範囲をまとめて解答案を作りました。毎月2~3科目の試験があったので、12問から18問に対する自分なりの答えを文字に起こし、必死に頭に詰め込みました。私は間抜けなところがあり、「なんとなく覚えた」では失敗することが目に見えていたので、作った解答案をほぼ完璧に暗唱できるというレベルまで、徹底的にやりました。結果、2年間を通して、試験を落としたことはなく、3科目で満点をいただくことができました。それぞれ自分に合った勉強法があると思いますので、是非自分のスタイルを見つけていただきたいと思います。

 スクーリングに関してですが、私は北陸からの通学で、家族の負担を考えると、前日に出発して旅程を1日延ばすということが難しかったので、当日の朝3時に起きて始発の特急で京都に向かうという生活でした。日付が変わる頃に帰宅し、先に眠って待っている子どもからの置き手紙を見て、ほっとして涙が溢れたこともありました。しかし、一緒にスクーリングに行く友人がいたことや、新たにスクーリングで出会った学友たちとの交流は、とても楽しみでもあり、支えや、励みにもなりました。また、スクーリングでは、高専では学んだことのなかった「文学研究」というテーマでの学びに、最初は戸惑いや苦手意識がありましたが、次第に面白くなり、自分の新たな解釈を見つける楽しさを知りました。

 2年目には教育実習がありました。教員になりたいとは言いながら、自分に自信がなく、「私にできるかな?」「大丈夫かな?」と思いながら母校の中学校で挑んだ教育実習は、とても充実した、かけがえのない経験となりました。そして、「自分にもできた」という自信とは、「やはりこれを仕事にしたい」という確信に繋げることができました。

 2年目の3月には最後の科目最終試験、8月には最後のスクーリングを終えました。最後のスクーリングの帰り道、あとは教育実習とスクーリングの結果を待つのみという状況の中、特急の窓から琵琶湖の花火大会を眺めながら、開放感とともに「もう頻繁に京都を訪れることはないのかな」と寂しい気持ちになったのを覚えています。

 卒業証書と教員免許状を手にした今、私は今までの人生で最も明確に「自分の目標」というものを持っている気がしています。佛教大学には、“大卒”という新しい学歴と資格のほかに、たくさんの新しい経験や、一生の友人という宝物をもらいました。また、意外と頑張り屋な、新しい自分にも気付かせてもらいました。たくさんの困難に出会い、挫折しそうになったこともありました。でも、超えられないように見える山も、登り始めてみると案外、ゆるい坂道の連続にすぎないものかもしれません。私はこの経験を、自分の子どもや、これから出会う生徒たちに伝えていけると思います。在学中の皆さんも、目標に向かって、しっかりと歩みを進めていってください。

~プロフィール~

2014年9月 佛教大学文学部英米学科3年次編入学
2016年9月  同卒業、中学校・高等学校一種免許状(英語)取得
現在、講師として勤務中

(佛大通信2018年2月号より)

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