社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
文学部 中国学科 卒業生
母との約束
「一生勉強だね。」2007年、私は癌で入院していた母とこう約束しました。母は、夜、いつも本を読んだり書きものをしたりする人でした。ほどなく天国に行ってしまったけれど、この言葉が私の心に強く残っていました。
入学の動機
2013年当時、通訳のスクールに通っていましたが、大学の専攻が中国語と関係なかったので、いわゆる漢文から引用されたものなどは、さっぱり意味がわからなくて困っていました。そんな中、友人から佛教大学の通信教育を一緒にやってみない?と誘われ、思い切って申し込むことにしました。2013年の10月でした。
リポート、D判定につぐD判定!
大学は一度卒業しているので、リポートの書き方はわかっているつもりでした。しかし、最初のリポートを提出したところ、書き方が悪かったようで、再提出のD判定。次のリポートは、提出の朝にPCの操作ミスで削除してしまい、慌てて記憶を頼りに書き直したものの、またしても再提出のD判定。いちおう、自分なりにかなりの時間をかけてやったはずなのに……。ここで私はすっかりやる気を失ってしまいました。
スクーリングで情報を得る
スクーリングで出会った友人にいろいろと情報を提供してもらったことがとてもためになりました。卒業論文のことは、まだまだと思っていましたが、卒業するには、論文題目届などをかなり早い時期に提出しなければいけないことを教えてもらいました。私は2014年の夏のスクーリングから参加していたので、すでにその時期を逃していて、卒業が半年伸びるのは確実でした。
スクーリングがテキスト履修に役に立つ!
独学でリポートを書くのは本当に大変です。私は立て続けに不合格だったことからしばらくは書く気が起きなくてひたすらスクーリングを受けていました。おすすめはできませんが、後になってみるとこれが却って良かったです。一人で本を読んでも頭に残りませんが、先生の話を聞くとポイントがよくわかります。テキスト履修の科目とスクーリングの科目は全く同じではありませんが、共通する部分もあります。参考文献も共通して使えるようなものがそろっていきました、中国関係の書籍は廃刊で店頭では買えないことも多く、「アマゾン」や「スーパー源氏」で、きれいめな古本を買いました。また、中国語の書籍は、「書虫」で取り寄せました。
私のリポートの進め方
私のリポートを書くパターンも決まっていきました。①教科書にアンダーラインを引きつつノートにメモを取りながら該当部分を読む。②ノートの重要部分に赤ペンで印をつけ、さらにポイントをまとめる。③リポートの筋を簡単にチャート風に書いてみる。④パソコンで書き進める。⑤印刷して赤ペンで手直しをする。⑥清書する。一番重要なのは、教科書を読むときにただ読むのではなく、メモを取りながら読むことです。その際、教科書のページ数も書くと後でわかりやすいです。参考文献を読む時も同様にノートを書いていきます。
試験勉強の進め方
では試験勉強はどう進めたらいいのか。実は私は漢文学の試験を白紙で出してしまったことがあります。漢文学で、文法的なことができるのかと準備していったものの、「~について思うところを述べなさい。」という問題が出ました。その作者の文章を読み込んでいなかった私は何も書くことができませんでした。試験開始30分は退出もできないので本当に辛かったです。その話をすると友人の一人が、過去に出た問題をいくつか教えてくれました。それで、次の試験ではそれに基づいて勉強をし、合格することができました。一つ試験を受けたら問題冊子は持ち帰ることができるので、次の試験ではその過去の問題を参考に勉強に取り組むことができます。ですから、次の試験に役立つので、合格する自信がなくてもとにかく受けに行った方がいいと思います。
卒業論文の作成
卒業論文のテーマは、スクーリングで辻田先生の授業を受けた時に、文革の時期に書いたという郭路生の詩がとても印象に残ったので、それに決めました。後に指摘されましたが、郭路生は、研究している人もあまり多くないとのことで、資料集めに苦労しました。しかし、先生がいくつかの資料を紹介してくださり、大変助かりました。辻田先生、本当にありがとうございました。
卒業論文で使う文献は、多くはやはり遠くても佛教大学の図書館に行って借りなければなりませんでした。ただ、中国語の論文は自宅にいながら佛教大学図書館にアクセスしてインターネット経由でダウンロードすることができてとても助かりました。
卒業式に向けて
さて、なんとか卒業論文も書き終え、卒業が決まった私に、大学から連絡が来ました。なんと、優秀論文賞と学長賞をいただけるというのです。そして、代表として卒業証書を受け取ってほしいと言われました。そこで、卒業式には、袴でなくても、せめて素敵なスーツで出席しようと久しぶりに心斎橋に出かけました。ついでにずっと欲しかったデジタル式の温湿度計も見に行きましたが、けっこう高価だったので買いませんでした。
卒業式と記念品
女性は袴姿が多く、私はちょっと後悔しました。なかには、北大路の貸衣装屋さんに半年前から予約していたという人もいました。そして、式が終わった後、記念品をいただきました。水晶の数珠や、知恩院の模様のボールペン、『念仏者 あの人この人』という本等が入っていました。その他に少し大きめの箱がありました。中を見ると、なんと、あの時買うのをあきらめた温湿度計が入っていたのです。賞をいただけたのは、ご指導くださった先生方のおかげだと思います。しかし、記念品を選んだのは…何だか天国から母が、「がんばったね」と言ってくれたような気がしました。卒業したからといって勉強は終わりではありません。これからも「一生勉強だね」という言葉を胸に勉強を続けていきたいと思います。
~プロフィール~
1993年3月 北海道大学文学部行動科学科卒業
1997年9月 中国吉林省東北師範大学留学(2年間)
2013年10月 佛教大学文学部中国学科 3年次編入学
2016年3月 同卒業
(佛大通信2017年11月号より)