社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
仏教学部 仏教学科 浄土・仏教コース 卒業生
1.入学のきっかけ
野球好きの私は友人に誘われ東京六大学野球を観戦した。客席の応援部員は試合中何度も「学生注目!」と呼びかけている。私も学生になり呼びかけに「何だ!」「そうだ!」と応えたいと思った。せっかく学生になるなら、仕事と関係のない事、今まで興味のあった事、今まで無宗教の生活をしてきたから身近な仏教を学びたい、と考えた。通信教育の新聞広告を見て仏教を学ぶなら大学の名の通り『佛教大学』だと即決した。学習の性質上、職場や父母には秘密にした。この時、大学が京都にある事や浄土教の学校である事をあまり深く考えていなかった。それが「ご縁」で私の知る世界を大きく広げてくれたのである。
2.学習方法
野球観戦を共にした友人が佛教大学入学を驚いていた。彼からは、私の母校である大学応援歌になぞって「暁(あかつき)の勇者(ゆうしゃ)」というありがたい(?)呼び名をもらった。それは毎日、日の出前から勉強をしているからだった。8時半から19時までフルタイムの看護師として働く私は、仕事後は疲労により勉強できず、全てを朝型にしていた。
朝4時起床しそのまま調べ物や図表にまとめる作業を5時まで行う。5時から家事を片付けて準備を整えて6時に出勤する。6時半に職場近くの24時間営業飲食店に入り8時半まで休憩なし2時間一本勝負で勉強するのだ。1日3時間勉強時間捻出のため21時前後に就寝する生活で、大好きなプロ野球観戦は諦めた。日々の生活で優先順位をつける事を覚え、私は何が大切で何を切り捨てるか自己を客観的評価した。大学の名を借りて、その頃流行していた断捨離を実行していたようである。
また、母校の図書館を積極的に利用した。区内の大学図書館も区民の特権で活用した。他大学の生涯学習講座も学生割引で格安で通った。特典で附属の図書館も利用した。東京港区芝多聞院のお寺の漫画図書館で仏教の大まかな流れを漫画で知った。リポート作成時は大学図書館自習室で頑張った。この方法に行く着くため、半年は試行錯誤した。その後は毎月3教科の科目最終試験を受験できるようになっていった。
3.スクーリングについて
スクーリング日程発表された3月のうちに受講科目を決め、職場にも野球観戦とウソついて休みを手配した。3年次編入のため初年次は基礎的講座履修と決め、京都だけでなく名古屋と神戸でも受講した。4月初旬に出張シングルパックを旅行会社に相談し1年分の新幹線と宿を確保した。後々この手配の仕方がとても役だったのでオススメである。
初めてのスクーリングである3年次の5月末の日本古文入門の講義は予習しても追いつかずとても厳しかった。他学生も優秀に見えた。帰京し大学中退も考え、当時の東京山梨支部長(現関東ブロック長)に相談した。「他のスクーリングに参加して考えてもいいんじゃない?」と励まされた。この言葉がなかったら中退していただろう。一命を取り止めてくださった事を今でもありがたいと思っている。
その1カ月後は名古屋にて基礎ゼミナールのスクーリング。なんと4名の受講者のみ。並川副学長先生の熱弁で仏教の奥深さに引き込まれ、もっと勉強したいと改めて気持ちを引き締めた。
夏は修学旅行でも行った事のない未知の地であった京都本学でのスクーリング。右往左往する江戸っ子は京都の方々の優しさにふれる事ができた。秋の東京スクーリングでは田中典彦学長先生の講義で、休み時間は煙にむせながら日々の勉強の質問をぶつけた。その時に田中先生から直々に学習会役員の依頼を受けてあっさり承諾してしまった。これが卒業を大きく手元に引きよせた機会であった。
学友会役員の友達や席が近い学生との情報交換や卒業に向けての学ぶ姿勢を知り、まねをしてみて楽しかった。
4.学友会との出会い
春の入学者対象の名刺交換会では、学友会役員の方が優しくていねいに話を聴いて下さり、私は「2年で卒業する」と宣言をしていた。「キミならできそう」と役員勧誘されていたが、ふん切りがつかなかった。今となっては、その時に役員になっていたらと後悔している。結局役員になったのは3年次の11月だったからである。
学習会では、様々な先生と関わる事ができ、他地方の学習会にもヘルプの立場で旅行がてら活動や協力できた。学生のために働く事や、今自分が学んだ事を伝えるのに喜びを感じ、やりがいがあった。まるで学生時代の部活動のようで、様々な学生の生き方を学んだ。
学友会役員というと荷が重そうだが、協力してみて、とても有意義であった。みなさんもぜひ、学習会に参加したり気軽に支部会役員さんやサポーターさんとお話ししてみる事をオススメしたい。
5.最後に
目標の1つに、学位授与式でぶったん(佛教大学マスコット)に会う事があった。しかし夏のオープンキャンパスとスクーリング講座が重なり、あっさり写真撮影できてしまった。4年次6月頃の週末の全ては必修スクーリングのために京都に通った。第2の青春とばかりに限界を広げられた事やたくさんの学生に出逢った事、今後の人生に役立つであろう。日々の勉強は苦しい事も多い。しかし、その先にある楽しさ(単位修得やスクーリング)と卒業を見据えて日々の学習を大切にして乗り越えてほしいと考える。
全て自力で卒業したとは思わない。たくさんの方々のご厚意やご縁、ご協力で卒業させていただいたと信じている。心から感謝している。次は私自身が人々のために協力していきたいと熱望している。
~プロフィール~
東京生まれの生粋の江戸っ子。
東京都立広尾看護専門学校卒業と法政大学卒業を経て
2014年4月 佛教大学仏教学部仏教学科浄土・仏教コース3年次編入学
2016年3月 同卒業
2017年2月 増上寺にて得度
(佛大通信2017年9月号より)