社会人が小学校の先生を目指すにあたり知っておきたい基礎知識
社会人になって改めて、小学…
文学部 人文学科 日本文学コース 卒業生
1.はじめに
私は2001年12月31日、会社を55歳で早期定年退職し、翌年の3月、母が脳梗塞で倒れました。植物状態になった母は、医師に余命2年と告げられました。その2年後、ある日私が母のベッドに付き添っているとき、ごくごくわずかに足が動き、そのことを母に告げると、母は「脳が動くと言った」と言いました。以降、母は奇跡的に回復し、全介助が必要ですが、車いすで生活できるまでに回復し、今年93歳を迎えることができました。
佛教大学社会福祉学部への入学動機は、今思えばはっきりした動機はありませんが、母の介助を通じて福祉に興味を持ったことが、動機のように思われます。しかし、私と母、2人で生活している関係上、社会福祉学部の「社会福祉援助技術現場実習」24日間は無理でした。その結果、社会福祉士国家試験受験資格を取得せず、卒業しました。
文学部への入学動機は、「社会福祉援助技術現場実習」がかなわなかった心残り、そして、私の「トラウマ」である文章が書けない、この2つが文学部への入学動機であったように思います。
「学習体験記」の執筆依頼は非常に光栄なことですが、残念ながら在学生の皆さんに参考になるものは持ち合わせておりません。しかし、失敗は限りなくしてきましたので、記憶に残る失敗を在学生の皆さんにお伝えし、何かのお役にたてればと書かせていただきました。
2.テキスト履修(T履修)
私がテキスト履修において、最も重視したポイントは設題です。ある時期からシラバスの重要性に気づき、リポートの内容が設題に応えているか、書き始め、途中、完成後も確認を繰り返しました。そのおかげか、社会福祉学部、文学部を通じて、スクーリングも含めると約100近いリポートを書いたと思いますが、幸いにもこれまで一度も不合格になることはありませんでした。しかし、いよいよ、最後の1科目のテキストリポートを残し、その合否の結果を待っていました。しかし、なかなか届かない結果に不安になった私は、シラバスを再確認した結果、リポート学習の留意点に「具体的事例を用いて書いてください」とあり、私は具体的事例を用いて書いていませんでした。その結果、当然ですが、第一設題・第二設題とも、不合格の通知が後日届きました。
3.科目最終試験
リポート作成に全力投球した結果、当初、科目最終試験は不合格が何回かありました。その反省から、試験の資料を作成する段階で最も重視したのは、必ずキーワードの文章を2つ以上書くこと、そして、その文章には必ず専門用語を用いるように心がけました。
しかし、試験資料を覚えるのには、大変苦労しました。読んでもダメ、書いてもダメ、そんな時、テレビを見ていると、ある有名な脳科学者がこんなことを言っていました。「歩きながら覚えると有酸素効果で記憶力が高まる」私はだまされたつもりで、自宅近くの淀川堤防を歩きながら、資料を見つつ、声を出し、覚えてくると資料なしで声を出す。これを続けると1枚のリポートを記憶するのに、最初は2~3日かかっていましたが、2枚目以降だんだんスピードアップし、最後の1枚では、1日で記憶できることもありました。中高年を問わず記憶するのにお困りの方、だまされたと思って試してみてください。
4.卒業論文
卒業論文を書くのは初めての経験、そのため、卒業論文の書き方の本を数冊読みました。しかし、書き方は理解しても、卒業論文に踏み込むことができませんでした。
そんな時、論文提出方法についてわからないことがあるので、通信学務課論文係に相談に行きました。応対していただいた女性事務員の方が、「Hさんは前期入学ですが、後期卒業もできるので、計画書は早く出したほうがいいですよ。テーマについても、決めかねているのであれば、先生と面談して相談する方法もありますよ」、と親切にアドバイスをいただきました。卒業論文に躊躇していた私は、その言葉に背中をおされ、計画書の提出に踏み切りました。
しかし、何を書けばいいのか悩みました。そこで、指導教員の坂井健先生に相談をすることにしました。面談では、難しいことを言われるのではないか、いろいろと心配していました。
しかし、先生にお会いすると、リラックスした雰囲気の中で、私の話を聞いてくださり、テーマについてもいろいろアドバイスしていただき、本当に感謝しております。
坂井先生には、リポートを3~4回指導していただきました。指導内容のポイントは、「リポートの内容に対する根拠を示しなさい」でした。つまり、(注)において参考文献やその他の資料を用いて、その根拠を示しなさい、ということでした。私の記憶にあることや、ヤフー検索を多用した結果のご指摘でしたが、訂正するために指摘された内容の参考文献を探しましたが、見つけることができず、削除を申し入れたこともあり大いに反省しました。
5.おわりに在学生の皆さんへ
卒業は通学生にとってはあたりまえの事であるが、多くの通信生にとっては、卒業は学生生活における大きな目標である。しかし、学生生活で「何を学び、何を得たか」、その成果を卒業論文という形で問うことも重要ではないでしょうか。そのためには、卒業の期間にあまりとらわれることなく、「自分は何を学び、何を得たいのか」、そのことを学生生活の目標にすることも重要ではないでしょうか。
~プロフィール~
2011年3月 佛教大学社会福祉学部社会福祉学科卒業
2011年4月 佛教大学文学部人文学科日本文学コース3年次編入学
2015年9月 同卒業
(佛大通信2016年11月号より)