通信教育クロストーク

2016年03月01日
学習体験記 仏教学科卒業生R.Mさん

仏教学部 仏教学科 浄土・仏教コース 卒業生

はじめに

 仕事として寺務に携わる中、「仏教、寺、浄土宗」について幅広く学ぶ機会を得たいと思いました。また、社会全体の高齢化、寺の維持を考えるに至り、浄土宗教師資格取得の必要性を感じ、1回生からの入学を決めました。
 2回生より登録可能の科目別履修では、浄土宗教師・博物館学芸員の2資格取得を申請しました。博物館学芸員資格の申請理由は、今現在に至るまでの日本文化は、仏教を抜きにして考えることはできず、文化面からも仏教にアプローチする必要があると考えたからです。
 現在、佛教大学大学院通信教育課程修士課程1年。今後、法然教学研究をする予定です。

1回生 学習スタイル

 1年目は助走と考えていたのですが、資料を見て驚き、悠長なことを言っている場合ではないとシラバス確認を何度も行ない、年間計画を立てました。

・仕事、大学、生活の3本柱でスケジュールを組みました。テキスト科目のリポート提出・試験は、毎月1科目とし、共通教育科目のスクーリング受講に焦点をあてました。
・リポートは各科目の学習の要点・留意点に注意して作成しました。試験対策としては、要点にあるキーワードをもとに、6問程度、各800~1000字にまとめました。録音して、仕事の合間や移動中に聴き、頭に叩き込みました。曖昧で理解不足の内容にも気づくことができ、試験中、頭の中が真っ白になるというハプニングも防ぐことができました。
・受験後、試験資料に記載されているキーワードを科目別に表に纏め、今後自分が受ける可能性があるテキスト科目の対策としました。表にしたキーワードは、2年目以降の資格取得科目のリポート提出・試験の順番を決めるのに大変役立ちました。

2回生 浄土宗教師・博物館学芸員資格

 4月、1回生取得単位科目の平均点を計算し、「佛教大学通信教育課程奨学金制度」に申込みました。浄土宗教師資格(以下、宗資)・博物館学芸員資格(以下、博資)の履修申請をするにあたり、テキスト科目80点以上、スクーリング科目90点以上、平均80点以上を目標にすることを決めました。資格のための単位取得には、高得点を設定し、自分にプレッシャーを与えて、モチベーションを高め続ける必要があると考えたからです。3・4回生も奨学金制度の申込みをしました。

・資格科目は、次のステップに進むための期限付き単位取得があるため、毎月2科目リポート・テキストと決め、スケジュールを組みました。
・浄土・仏教コースでは、浄土コースでの20単位を選択しましたが、入学の目的でもある「幅広く仏教を学ぶ」ため、仏教コースのスクーリング受講もしました。スクーリングは予習と授業が勝負です。必死で大判ノートへ筆記したことは、後日のリポート作成に貢献しました。
・宗資科目である初級実践仏教は、暑い時期の10日間です。体調に留意し、フラフラしながらも何とか無事、終了することができました。
・資格科目申請した直後の6月初旬、田舎の母がレベル4の大腸癌であるとの連絡が入りました。私の住む地域にある病院への入院手続き、精密検査、手術、術後のリハビリと10月末まで続きましたが、現在、幸いにも元の生活ができるようになっています。調整に調整を重ね、種々の段取りを整え、周りの人々に手助けをお願いし、5カ月間のハードスケジュールをなんとかクリアすることができました。
・冬開講した博資科目の受講後、個々に博物館・美術を巡るリポート作成は、今までとは異なる視点での鑑賞方法を学ぶことができました。 

3回生・卒業論文

 3回生では、テキスト履修科目は、毎月1科目受験とし、専門科目のスクーリングを日程が可能な限り受講しました。2資格科目が重複する場合、宗資科目を優先し、博資科目は4回生で受講することにしました。

・4月入学者、論文「テーマ予備調査」が9月中旬の10日間でしたので、デスク前に提出期間を書いて貼り、忘れないようにしました。
・8月の上級実践仏教、10月の最終実践科目を終え、12月初旬、宗資取得となる3週間の加行に入り、成満することができました。
・加行成満後、ボーっとした状態が長く続き、論文「研究計画書」は、締切日ギリギリの提出となりました。

4回生・大学4年間・大学院

 日々更新しながらスケジュールを組んだ年間計画も4年目を迎えました。「更新」と「数字」にこだわることによって、学習意欲を持続させることができました。

・夏の博資科目は、連日、バスでいくつもの博物館・美術館を巡るため、その日のうちにリポートを作成することに努めました。
・夏期スクーリング後、「初回草稿」もギリギリ提出、「清書論文」も然りです。担当教員とのコンタクトは早めにとるべきでした。
・口頭試問の日、「今更、遅かりし」ですが、学習相談室に取得単位の確認を質問票でお願いしました。質問票は、通信生の必須ツールです。学科卒業要件科目、2資格取得要件科目を充足しているとの回答をいただき、「着実にすすめてこられたことに感服」の文言に号泣しました。
・大学院入試は、過去問を参考に科目最終試験の要領で勉強しました。PCに保存した科目別フォルダを活用し、大学4年間の総復習をしました。

おわりに

 自分への縛りをいくつも設定し、何百回となく叱咤激励した4年間、自分との闘いでした。大学院のオリエンテーションでは、「修士論文を書き上げることが最終目的である」と強く言われています。
 卒業論文の反省点をふまえ、リポート設題、試験問題の難しさに苦しみつつ、修士論文に早めに取りかからねばと叱咤激励の再開です。

 

~プロフィール~
2011年4月 佛教大学仏教学部仏教学科浄土・仏教コース入学
2015年3月 同卒業
2015年4月 佛教大学大学院文学研究科仏教学専攻入学

(佛大通信2016年3月号より)

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