通信教育クロストーク

2016年07月29日
学習体験記 中国学科卒業生K.Mさん

文学部 中国学科 卒業生

1.はじめに

 私が佛教大学で学びたいと思いはじめたのは、50歳を過ぎてからでした。大学案内を送ってもらったものの、学費のことを主人に言えず、躊躇しているうちに、主人の両親と同居になり、私の夢はますます遠のきました。舅を見送り、姑の介護にあけくれていた時、主人より、「大学へ行きたいのなら、行きなさい。」といってもらい、ようやく、大学へ入学できました。思い立って、実に7年が経ち、入学できた時は夢のようでした。

2.科目履修

 最初の意気込みはどこへやら、要領がわからず、学習会に参加しました。初めてテキスト履修科目の試験を受けたのが、テキストが届いて、6カ月後のロースタートとなりました。学習会で、学習サポーターからアドバイスを受け自分なりに、解答を留意点に沿って800~1000文字書き出しました。最初は山勘をはって、試験に臨んだものですが、大失敗でした。やはり、地道に学習することです。買い物に行く時とか、散歩に出かける時など、整理した内容を持って出かけ、声を出して覚えました。恥ずかしながら1回でクリアした科目は少なく、2回から6回は受けました。さすがに、6回目を受ける前は「質問票」を出し、自分のどこがいけなかったのか、先生よりアドバイスをいただきました。とにかく諦めずに「一歩前進、1日1行でもテキストを読む。」との言葉を思い出し、チャレンジすることができました。私の場合、欲張って2科目受けても、どっちとも落とすことが多かったので、1科目ずつ受けることにしました。

3.リポート

 リポートも科目最終試験同様、人一倍、苦しみました。ここでも学習会がおおいに役立ちました。先生を目指している若い男子学生よりリポートの書き方を教えてもらい、「頑張って。」と励まされ、頑張ることができました。また、ある先輩より、「不合格で戻ってきたら、すぐ書いて出す。」とのアドバイスをもらっていました。どれも守れませんでした。そんな私にも、転機がきました。3年生の時、漢文の先生が、「リポートは、手書きではなく、パソコンでお願いしたい。」と言われ、全くパソコンが打てませんでしたが、チャレンジしてみようと思いました。最初は、一つのリポートを仕上げるのに時間がかかりましたが、だんだん慣れてきました。リポートの締切の10日の午後5時前までにパソコンで入力できるようになり、リポート提出が驚くほどはかどっていきました。それでも、3、4年生でかなりの科目最終試験とリポートが残っており、卒業は夢のまた夢状態でした。「諦めるな。」とか「行き詰まったら掃除をして気分転換を。」との先輩の言葉を思い出し、卒業を諦めませんでした。

4.スクーリング

 スクーリングだけは、わりとスムーズにいきました。といっても、勉強はかなりハードで予習をしていなければ、授業は最悪状態でした。ホテルに帰っても予習にあけくれ、庭の散策どころではありませんでした。
 スクーリングは、年齢の違う人達に触れ新鮮でした。仕事をしながら学んでいる人が多く、授業を受けてその日の内にリポートを仕上げるつわものがいて、刺激を受けました。学食をみんなと食べる時、「私は学生なんだ。」と思ってうれしかったです。スクーリングで顔を合わせているひとときだけでも、孤独ではなく同じ志をもっている仲間が居ることにホッとしたものでした。食堂の一角にできたパン屋のメロンパンが大好きでした。
 朝早く学校に行き、朝のおつとめに参加した時、学生として、この大学で学べる環境に感謝したものでした。

5.卒業論文作成 

 テーマは、入学当初、ビビっときた蘇軾の楽天的なことについて書きたいと心に決めていました。指導の先生であられる中原先生から、「もしかしたら、今まで偉い人が感じとれなかった部分を探すことができるかもしれない。たくさん、蘇軾の本を読みなさい。」とアドバイスをいただきました。初めて提出した草案はめちゃくちゃでした。書き方を教えていただき、ようやく論文らしくなっていきました。先生に引き上げていただいて、卒業までたどりつくことができました。とりかかりが遅かったのが悔やまれてなりません。

6.おわりに

 あっという間の4年間でした。佛教大学の先生はどの先生も熱心で心に残る先生ばかりでした。「学び、それはそれで終わるのではなく、次へ転換していくものなんです。」と学び、科目最終試験の失敗やリポートの再提出が多く挫折しそうになりましたが、頑張ることができました。私のような劣等生でも4年間で卒業ができたのは、諦めなかったことと期日を守ったことだと思います。
 日々頑張っているけど、なかなか成果がでず疲れている後輩たちへ伝えたいです。できるところから一歩でも進んでいけば道は開けていきます。卒業だけをめざすのではなく、ビビッときたものに対して深く追求していけば、求めれば求めた分、先生方は喜んで応えてくださいます。貪欲に求めていき、充実した学生生活を送ってください。

~プロフィール~
広島在住。1954年生まれ。
2011年10月 文学部中国学科入学
2015年9月 同卒業

(佛大通信2016年8月号より)

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