通信教育クロストーク

2015年12月25日
学習体験記 教育学科卒業生M.Kさん

教育学部 教育学科 卒業生

はじめに

 私は、2010年4月に、保育士資格と幼稚園教諭免許の取得を目指して、教育学部教育学科に入学しました。ひとり親家庭を対象とした高等技能訓練促進制度を利用しての入学だったため、在学を延長することは考えず、最短の4年で卒業することが目標でした。

 勉強の習慣化

 勉強するにあたって、まず一番大変だったのは、日々のスケジュールに勉強を組み込むことです。ただでさえ、家事と子育てでバタバタと慌ただしく過ぎていく毎日です。気がついたら、テキストを開くこともなく、あっという間に1日、1週間と時間が流れていきます。夜、勉強しようと思っても、睡魔に負けて集中できなかったり、図書館で勉強しようと思っても、図書館に行く時間を作るのが難しかったり、今までの日常生活に「勉強」という新しい習慣を定着させることがなかなかできませんでした。あれこれ試行錯誤をしましたが、最終的には、朝早く起きて勉強することで落ち着きました。最初はつらかったのですが、無理にでも続けていると、だんだん習慣になっていきました。この時身についた早起きの習慣は今も抜けず、卒業して1年が過ぎた今でも、毎朝4時に起きる生活が続いています。習慣が、一度身についてしまうと、あとは自然に続けることができるので、とにかく行動し続けることが大切なのだと実感しました。

リポート

 リポートは、毎月1科目提出することを目標にしました。最初はどう書いていいか全く分からず、なかなか進みませんでしたが、とにかく思いつくままにどんどん書いていきました。ある程度の文章量になったところで、内容をそぎ落としたり、まとめたりして、パズルを組み立てていくように、リポートの体裁を整えていきました。最初は、テキストの内容を全部読もうとして、とんでもなく時間がかかることもありましたが、何度かリポートの回数を重ねて、テキストにアンダーラインを引いたり、書き込みをしながら読んでいるうちに、だんだんと、どこにポイントを置いて読んだらいいのかが分かるようになっていきました。テキストは、重い腰を上げて取り組むまでが大変なのですが、毎月1科目提出すると決めて、自分で自分を追い込んだのが良かったと思います。

試験

 30歳を過ぎての入学だったので、現役の短大生だった頃と比べると記憶力が格段に落ちているのを痛感しました。けれど、嘆いていても、記憶力の衰えはどうしようもないので、とにかく時間をかけて覚えていきました。試験を受けると、問題集を持ち帰ることができます。毎月のリポートを作成する時に、過去問を見ながら、自分なりの模範解答も同時に作成していたので、試験1週間前は、自分で作った模範解答をひたすら覚えて試験に臨みました。これはかなり大変でしたが、試験勉強に時間をかけた分、試験は全て1回で合格することができました。決して効率的とは言えない勉強法でしたが、毎月、1科目確実に終わらせることができたので、少しずつゴールに近づいているという実感がありました。

スクーリング

 スクーリングは、佛教大学の生活の中でも、一番楽しい思い出です。保育科目は10数人というこじんまりした授業が多く、学生と先生の距離がとても近く、学生同士も打ち解けやすい雰囲気がありました。それぞれの保育への思いを語り合ったり、子どもとの関わりの中で生まれる悩みを打ち明けたりしているうちに、学生同士のつながりが強くなり、また、自分の保育への思いも新たにすることができました。社会に出ると、年齢も境遇も異なる人たちと出会うことは少なくなります。佛教大学でなければ出会うことができなかった学友との出会いは宝物であり、今でも良い付き合いが続いていることを本当に嬉しく思っています。

学習会

 通信教育は、家庭や仕事と両立しながら、自分のペースで学習を進められるというメリットがありますが、勉強をするもしないも自己責任なので、学習のモチベーションを維持する難しさがあります。試験の後は、そのまま帰るのではなく、できるだけ学習会に参加して、学部を超えてさまざまな人と交流するようにしました。普段の勉強は孤独ですが、学習会で仲間と会い、勉強法や学習の進め方について話していると自分一人じゃないんだと思うことができます。時には、学習会の仲間で食事に行ったりするのも、とても良い気分転換になり、また1カ月頑張ろうと、気持ちを新たにすることができました。

最後に

 佛教大学の4年間は、これまでの学生生活の中でも、一番勉強した4年間でした。在学中は何度、「もう無理」「もうできない」「もうやめる」と思ったか分かりません。それでも、途中でやめると、それまでの履修が無駄になってしまうような気がして、絶対諦めるもんかと思いながら勉強を続けました。
 卒業式では、思いがけず学長賞をいただくことができました。小中高短大時代は、勉強よりも遊ぶことが楽しくて仕方がないという不真面目な学生で、そういった賞とは無縁な生活だったので、連絡をいただいた時はとても驚きました。壇上で卒業証書をいただいた時は、本当に感慨深く、やりきった達成感でいっぱいでした。
 この卒業は、私1人で手にしたものではなく、家族の協力や助けがなければ、卒業することはできませんでした。私の勉強を応援し、協力してくれた息子や両親には、感謝の気持ちでいっぱいです。卒業式の前月には、保育士としての職も得ることができました。佛教大学での学びは、私の保育観の芯となり、仕事で悩みや迷いがあった時の支えとして、私の心の中に息づいています。

 

~プロフィール~
2010年4月 佛教大学教育学部教育学科入学
2014年3月 同卒業

(佛大通信2016年1月号より)

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