通信教育クロストーク

2019年01月11日
学習体験記 仏教学科卒業生(M.Kさん)

仏教学部 仏教学科 卒業生

お墓に入る前にしたいこと

 札幌の高校卒業後、信用金庫で働き寿退職。40歳代、関東に住む娘に初孫が誕生した。仕事を休み、育児応援をしつつ考えたのは「お墓に入るまでにしたい事って何だろう?」候補は沢山あった。①自転車 ②水泳 ③大学 ④長編小説(出版) ⑤手芸……。①~③は、幼少期の病弱や家庭事情から『縁』が無かった。50歳代前半に①②は練習にてクリアできた。大学は、小説執筆の為に基礎知識や語彙力・文章力を向上したい意図があり、佛大選択理由はブッダが説いた仏教への興味と、母の実家が曹洞宗寺院という『縁』。心の底辺には、転職する度に感じる高卒への低評価や、入社初日から女子高卒に絡めたセクハラ言動を受けた経験から、偏見への克服。これらの複合的理由で佛教大学入学を決断した。

志が磁石に~学友に感謝

 卒業までの道のりは簡単では無かった。初めは「読む・書く・問う」で始まるリポートすら苦慮した。金融や経理の数字合わせの仕事と、テキストの中に答えを探す資格試験に慣れ親しみすぎて、論じる事が出来なかった。だが、志に引き寄せられた学友との『縁』が『卒業』へ導いてくれた。早めに受けたいと思っていた基礎講義のスクーリングは日程が合わず、学外の東京・神戸のスクーリングから受講した。2回生なのに、「T リポート? 一度も書いていない、最終試験? 受けていない。」と話す私に、「取り敢えず、1回リポートを出して試験を受けてみたら」と熱心に勧めてくれた学友達。その後、メールでの情報交換、試験の過去問や、科目は違うが参考にとリポートを郵送頂くなど、複数の学友に救われた。

 T履修のスタートが、3教科同時受験・合格だったが、その後は油断して、形式不備や著者の私的解釈の引用やパソコン検索の間違いリポート提出などで、CやD判定もあった。しかし、学友たちの後押しがあり、8年以内の卒業目標に向かい前進を始めた。

 北海道から京都の宿泊費・旅費・学費は、自分の収入でと決めていたので週5日働くも、スクーリングの日程に合わず卒業は遠のく。そんなある日、学友が紹介してくれた宿は、机とベッドがある個室で1泊3千円と格安。夏期に集中講義を受ける為に、一時仕事を辞め、神戸・京都と合わせ17日間滞在し7科目の連続受講を試みた。タイトなスケジュールと北国育ちの私は、蒸し暑さや冷房と温度差に体調を崩しかけた。日々の講義終了後に図書館で調べ、1号館サンサーラのPCでリポートを作成・印刷する。夜には宿で推敲して、次の日の講義後に清書、本学事務に提出するという繰り返し。後泊して、受けた科目の未提出リポート全てを完成・提出してから札幌に帰り、一気に単位取得した。我ながら無謀な行為だったと思う。連続受講を試みて、リポート作成が間に合わず再受講した話も聞く危険な行為なのでご注意を。

難病? 優先順位は……

 そんな無理が祟ったのか、単位・卒業論文・卒業までのスケジュール計画を立てた矢先、総合病院で難病の一歩手前と診断された。血液検査の数字が揃い次第、難病指定して治療開始すると言う。自己免疫疾患で生命の危機はないが、長期間使用予定薬の副作用で併発する病名も予告された。怖れたのは、治療の為に志を諦める弱い自分だった。『治せる医師が居るはず』という根拠のない自信を持ってネット検索し、見つけた! その病院は大阪にあり、独自の論文を掲げて難病治療を得意としている小さな医院。街がネオンで輝くクリスマスに受診した。自費治療を開始し、半年後には奇跡的に症状が消えていた。優先順位を1に健康2に大学、残り時間に家事や仕事とし、卒業論文も同時進行。学習計画を練り直した。

大急ぎで卒業へ

 病気で未受講になったスクーリングは1年半後。病が再発しないうちに、なんとしても卒業したいと思った私は、卒業を8年から6年間へ短縮する無謀な計画変更をした。復活させていた週5日の仕事も辞め、アルバイトや派遣で旅費を稼ぎ、早期単位取得に没頭した。本学に行った時には、卒業論文イメージを持つ為に同じ学部の卒業論文を図書館で閲覧した。題目の作成から内容作成は、予想より沢山の時間を費やした。ゴールが見えた大詰め時期には、北海道に一冊しかない経典解説書を、貸出期間以降3カ月も未返却の人に阻まれ挫折しそうになった。でも、東北や埼玉から図書館の相互貸借依頼で借り、凌ぐことができた。卒業論文の構成や引用文献の記載方法、注の書き方など細かな点まで、面談やメールで的確に教授いただいた山極教授には大変感謝している。更に、実力が伴わず悪戦苦闘した卒業論文が優秀論文賞に選ばれた事は感謝感激である。

マイペースでいい

 9月の卒業式は、通信大学を「今更、何のため?」と理解を示さない夫の手前行かなかった。病やトラブルのおまけ付きの6年間だったが、集中力・根気・臨機応変・我が道を突き進むタフさを身に付けた。心配した病も再発していない。何よりも沢山の学友たちに巡り合えた事が宝である。入学時に誘われた学友会役員を4回生の時に引き受けた。良い情報も得て、卒業への意欲が湧いた。9月に卒業した後も、役員として学習室当番や翌3月の支部通信も編集した。卒業後、私は派遣で働きながら④長編小説執筆 ⑤手芸を交互に楽しみ、年金の支給年齢までの日々を過ごして行くだろう。佛教大学の学習や卒業論文により、文章を紡ぐ基礎力は向上したと思うので、④の出版に向け努力を続けていきたい。

 私が卒業する半年前の4月に知人も佛教大学に入学した。私は安価なお宿を紹介し、彼女は支部役員を引継ぎバトンは繋がった。卒業達成には、全国の学友や学友会活動等でモチベーション保持や、自分や環境の変化に諦めず、計画を立て直す勇気が必要かもしれない。どうか皆さんの夢が叶いますように。

 最後に、講師、学友、サポーター、試験監督、本学の事務の方など、『ご縁』を下さった皆様方に感謝!!《合掌》。

~プロフィール~
2011年10月 佛教大学仏教学部仏教学科入学
2017年9月 同卒業

(佛大通信2018年9月号より)

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