通信教育クロストーク

2018年05月15日
学習体験記 仏教学科卒業生(K.Mさん)

仏教学部 仏教学科 浄土・仏教コース卒業生

はじめに

 私はお寺の生まれではなく、お寺様に縁戚があるわけでもない在家の出身者ですが、仏教の教え、法然上人の教えを深く学びたいと考え佛教大学仏教学部に入学、伝宗伝戒を成満して2015年9月に卒業致しました。浄土宗教師の資格取得を目指して本学に入学された皆さんに、私の体験が参考になればと思います。

学習計画

 伝宗伝戒(加行)入行と卒業という2つの目標があると思いますが、それぞれの目的についてしっかりとした学習計画の設定が必要です。『入学要項』に3年次編入学者用の履修モデルが掲載されていますので最新版をご確認下さい。入学後、浄土宗教師資格の科目別履修登録を終えると7月と2月にオリエンテーションが開催され、履修計画に関して詳しく説明して頂けますので、必ず出席して、その時に不明な点は相談し、履修モデルを参考にしてしっかりと自身の計画を立てて下さい。また通信事務局にお願いして学習計画についての面談を受けることも可能です。

テキスト履修

 まずは加行入行資格科目を優先しました。私は仕事との兼ね合いもあり、1カ月に複数科目の履修は難しいと考え、毎月1科目のリポート提出と翌月の科目最終試験の受験を生活の一部として組み込み、全単位取得するまでほぼ途切れることなく継続しました。
 リポート作成は、何よりシラバスを熟読することです。書き方のポイントは、課題に求められていることが理解できていること、一つの論文としての体裁が整っていること、必要なキーワードが網羅されていること、論理的・つまり話の辻褄があっていること、自分の言葉で述べられていることです。記述方法は『論文作成のしおり』が参考になります。そしてリポートを書き上げても、もう一度シラバスを読み返してみてください。課題に求められている内容とのズレや述べられていないキーワードが見つかるはずです。リポート不合格となった時は、先生のコメントをしっかりと読んで、自分のリポートと求められている内容との違いを把握して再提出して下さい。
 科目最終試験対策としては、シラバスにある学習の要点と過去の試験問題を研究して自分なりの模擬問題と模範解答を作成してみることです。そして必ずその科目・模擬問題に必要とされるキーワードをしっかりと押さえ、体裁を整えて適切な文字数で述べられるようにして下さい。科目最終試験に関してはテキストの範囲で述べられれば十分だと思います。
 入学してから初回のリポート提出までは、なかなか踏ん切りがつかず、ついつい先延ばしにしてしまうものですが、しっかり腹をくくって、まず1科目提出することから始めて下さい。

スクーリング

 こちらも加行入行資格科目を優先しました。日程が重複している科目や連続した日程などで調整が難しいかと思いますので、まず履修モデルを参考に、早めに受講計画を立てて休暇の申請や宿泊の手配をしておきましょう。自宅のテキスト履修で一人悩み続けている中にあって大学での受講は新鮮で刺激的です。シラバスをしっかりと読んで、事前配布の資料に目を通し、課題があれば準備し、できれば参考資料にも触れておきましょう。そして講義中はしっかりとメモをとって疑問点は積極的に質問し、休憩時間も先生とのコミュニケーションに努めましょう。

実践仏教・法式実習

 実践仏教・法式実習1(初級)、2(上級)は、スクーリングという位置づけではありますが、実際は道場における8泊9日の行修であり、年度によっては受講者の半数が不合格になる厳しいものです。オリエンテーションや教科学習会には必ず参加してください。オリエンテーション・学習会で教えて頂ける詳細なシラバスや注意点の資料を熟読し、専門用語と意味、スクーリングで行われる内容などを把握して、記載されている練習方法に従って事前に十分な準備をしておくことが必要です。

卒業論文

 3回生編入者の場合、あっという間に予備調査の提出になります。仏教学や浄土学に馴染みの無かった人にとってはテーマを絞るのは大変かもしれませんが、疑問に思ったこと、スクーリングやテキスト履修で興味をもった事柄をメモしておき、それらの中から絞り込んで方向を決めて行きましょう。そして指導教員が決定したら積極的に面談し、遠慮なく何でも先生に相談するようにしましょう。面談によって予備調査とは違った内容になることもありますが何ら問題ありません。じっくり先生と相談して方向性を決めましょう。
 なお、予備調査や研究計画書は提出期限が定められており、タイミングを逃すと半年単位で卒業が延びてしまいます。しっかりと提出期限を確認しておいて下さい。

楽しく効率よく学習を進めるために

 何より同じ目的を持った仲間作りが不可欠です。特に資格取得科目のスクーリングと実践仏教に向けた教科学習会の受講生は皆が同じ目的を持つもの同士であり、実践仏教においては9日間、行・寝・食を共にする仲間です。スクーリングによっては既に実践仏教の受講を終えた方、加行を終えた方も受講しておられますので積極的に声を掛け合って情報交換し、コミュニケーションを取りましょう。先輩後輩の良き関係は脈々と受け継がれています。私も学習会で出会った仲間と連絡をとり、良き先輩と出会うことが出来ました。そして定期的に集まって実践仏教のスクーリングに向けた法式の学習会や情報交換会を行い、スクーリングの後は京都の夜の街で、楽しい楽しい「放課後」の時間を仲間や先輩と過ごすことが出来ました。
 また疑問点があったら質問票で事務局に問い合わせして下さい。加行入行資格や卒業単位が満たされているかなども確認して回答していただけます。

おわりに

 資格取得という目的が定まっているとはいえ、通信課程での履修は自己との戦いです。効率よく学習を進める為には、日々の学習が楽しいと感じられるようにしてモチベーションを維持することが一番です。自分なりに工夫して、是非楽しい大学生活を送って下さい。

~プロフィール~
2012年10月 佛教大学仏教学部仏教学科浄土・仏教コース3回生編入学
2015年9月 同卒業(学長賞・優秀論文賞)
(2014年12月 伝宗伝戒成満)
2016年4月 佛教大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程(通信)入学

(佛大通信2018年1月号より)

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