佛大通信ちょっと読み2018年08月号
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6来城者は外国人が6割以上。京都の人はその少ない日本人の1割ぐらいなのですよ。そんなに少ないんですね。佛教大学の学生には来て、しっかり見てほしいですね。崔:それは、ものすごく豪華だったでしょうね。後藤:家康時代の建物としては、二の丸御殿は間違いないと思っています。それ以外では、北大手門は可能性があると思いますが、東大手門と唐門は家康時代ではないんです。この二つの門は、天皇を迎えたときに建てられたことがはっきりしています。これから、修理が進めば、また何かはっきりすることがあるかもしれませんね。崔:そうですね。後藤:見どころでいうと、狩野派が総力を挙げて描いた絵が、これだけ揃っていることも貴重です。二の丸御殿の障壁画約3,600面のうち、1,016面が重要文化財で、大広間は探幽が描いています。ただ残念なのは、行幸御殿が残っていないこと。そちらは、1部屋を一人ずつが担当して、一人ひとりが力をこめて障壁画を描いたはずなので、それが残っていれば二の丸御殿を超えていたはずです。崔:へぇ、そうなんですね!後藤:ただ、いま二の丸御殿の中にある絵は、ほぼすべてが模写でレプリカです。ごく一部には本物がありますが。原画は年4回、二条城障壁画を展示収蔵館で公開していますから、そのときに観ていただけます。1972(昭和47)年から原画に忠実に再現する作業を始めていて、それが終わるのはまだ20年はかかると考えており、また修理についても、修理計画を立てて進めていますが、それによると完成は20年は先のことです。 文化財の修理を長く手掛ける後藤さん。国宝であり世界文化遺産でもある二条城に対する特別な思いはあるのだろうか。❖展示内容にさらなる工夫を❖崔:長く文化財の修理をされているそうですが、私たちから見ると、特別なお仕事のように思えます。二条城での文化財修理には、何か特別な魅力がありますか。後藤:二条城に来る前は、全国のお寺や神社、民家などを担当しましたが、文化財の修理はどれでも同じです。二条城の場合、国宝ですから、十分に注意をすることはありますが、心構えは一緒です。そうは言っても、自分の好みもありますけど。それでも担当した以上、まずその文化財のいいところを自分なりにきちんと見極めて好きになることですね。いい仕事を残すためには大切なことですからね。崔:今後、こうしたいということはありますか。後藤:いま大広間に、対面儀礼として人形を特別名勝・二の丸庭園。池の中央には蓬莱島、鶴亀の島を配した書院造り庭園。小さな滝もあり、かつては鴨川から水が引かれていたと考えられる。TRAVEL.2二条城内を巡る伝統をつなぐ・未来をつくる京都をめぐる二の丸御殿は、江戸時代の武家風書院造りの代表的な建造物。内部は部屋数33室、800畳。外観の大屋根も見事である。崔先生本丸の南西隅にある天守閣から、京都市内を眺める。伏見城から移築された天守閣は、1750(寛延3年)に落雷により焼失した。後藤さん

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