佛大通信ちょっと読み2018年01月号
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1996年にスタートさせた「男のフェスティバル」。講演、介護や引きこもりを考える分科会、男性による悩み相談なども行われたイベント。日本各地から参加者が集まりました。社会学を巡る概念を記した共著『現代の社会学』では、マイノリティ問題について執筆。『未来をひらく男女共同参画』でもジェンダーを巡る変化について論じています。社会的な問題と個人的な問題は別だと思っている人がしばしばいますが、問題意識は個人的な疑問から始まるもの。「男だから」「女だから」と、性別を押し付けられることに疑問を抱くことからジェンダー論が始まるように、様々な問題は身近にあります。そんな視点から学びを深めてみてはいかがでしょうか。膝の違和感を抱えつつラグビーに熱中していたそうですが、ある時、歩けない状態になり病院へ。取材時は、再建手術で挿入したボルトを抜く手術を終えたばかりでした。常にジャージ姿なので「体育教師によく間違われます」。学びの処方箋研究室訪問9列国議会同盟の発表によると、2016年における各国議会の女性進出における日本の順位は193カ国中、163位。前年からさらに順位を落としている有様ではありますが…。 一方、経済力や権力は男性に集中しているように見えますが、例えば仕事がない、お金が充分に稼げないといった、いわゆる「男らしさ」を獲得できない男性への風当たりは、女性へのそれに比べるとはるかに厳しいものがあります。専業主婦、死語になりつつあるかもしれませんが家事手伝いといった便利な立ち位置は、男性には認められにくいのが現状です。 私も含めてですが、だから男たちは「らしさ」を証明し、自分の立ち位置を確保するため、時に“やりすぎ”ます。一人で悩みを抱え込み、発散できず、鬱になることも。かく言う私も「男らしさ」を獲得するため、ラグビーに邁進するあまり、膝の後十字靱帯を損傷。昨年再建手術を受けました。再び走れるように、リハビリを続けています。 意外に根深い男性問題の認知度は高くありませんが、男女共同参画社会を実現させるためにも避けては通れません。すべての人が自由に生きるため、みんなで考えていきたいと私は思っています。選んだのですが、それを聞いた父はなぜか大喜び。哲学ではなく“鉄学”だと思い込んだからでした。笑い話のような本当の話です。 大学生になった私は、「男らしくない」自分を隠したまま、人権問題のグループや女性運動のグループに参加しました。男性運動の存在も知ります。そこで「男だからってスポーツができなくても良いんだよ」というメッセージを知ります。幼い頃からわだかまり続けてきた「男らしくない自分」がようやく受け止められた瞬間でした。 男らしさ、女らしさ、筋肉、スポーツ万能はコスプレみたいなもの。脱ぎ捨てれば、生身の人間が現れます。その素の状態こそが大事だと思うようになりました。けれども、学べば学ぶほど、私だけでなく多くの男性が深刻な問題を抱えていることがわかってきたのです。実は深刻な男性問題抱え込みがちな、男たち 「女性はこうあるべき」と性別を押し付けられたり、性差別を受けた女性たちは女性運動(ウーマンリブ)を提起。様々な面で力をつけつつあるように思います。にもかかわらず、日本では女性経営者の数が少ないし、世界の国会議員が参加するサプリ03サプリ02

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