佛大通信ちょっと読み2017年09月号
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サプリ01「恩師と出会えたことは偶然でしたが幸運でした」と話す先生の座右の書。『援助関係論を目指して-坪上宏の世界』と『生活支援-精神障害者生活支援の理念と方法』(ともにやどかり出版)。 母校である日本福祉大学は3回生で専攻を決めるのですが、当時、日本における精神医学ソーシャルワークのパイオニア的存在である、坪上宏先生が教鞭を執っておられました。現在の日本精神保健福祉士協会の発足時の事務局長を務められた方でもあるのですが、そのゼミに入りました。先生は、帰る所がない精神障害者の宿泊施設としてソーシャルワーカーたちが立ち上げた「やどかりの里」にも関わっておられ、実践を研究する「やどかり研究所」の所長でもありました。そんな方に教えを乞うことができた私は、精神障害者問題にはまっていきました。福祉の担い手のバトンをつなぐ福祉現場から教育現場へ 卒業後は、実習でお世話になった精神病院にソーシャルワーカーとして勤務。統合失調症の患者さんと向き合いました。 統合失調症の急性期症状は短期間です。急性期を乗り越えた患者さんは社会参加を目指します。作業所も無かった時代、私の仕事は、仏壇製造や統合失調症者との出会い恩師との出会いから学びを深める 明確な目標を持たずに大学に通っていた時、同じ下宿の住人が統合失調症を発症されたのです。会えば挨拶を交わし、時には「郷里から送ってきたリンゴです」とおすそ分けしてくれるような彼が、ある日突然「自分の悪口を言うてるやろ」と怒鳴り込んできたのです。驚きましたが「まぁコーヒーでも」とその時はなだめて帰ってもらいました。ところが、何回か同じようなことが起こり…。ある日、寝入りばなの深夜に起こされたため、私もアタマに来て、取っ組み合いのケンカになりました。騒ぎを聞いて大家さん達が起きて来て、事情を聞くうち何人かが同じ被害に遭っていたことがわかりました。ちょうどその頃、精神衛生学のテキストに“精神的不健康状態”について書かれたページがあり、彼はまさにこれに当てはまることに気付くと同時に、それまでは自分と変わらないように見えた人がなぜ急にそんなふうになるのかが不思議で、この件をきっかけに精神障害者について興味を持つようになりました。学びのサフリカラダに効く、アタマに効く塩満 卓しおみつsupplementたかし8社会福祉学部 社会福祉学科 講師[経歴]鹿児島県出身。1985年、日本福祉大学卒業。2009年日本福祉大学大学院社会福祉学研究科修了。社会福祉学修士。大学在学中に実習でお世話になった精神病院に就職し、保健所、精神保健福祉センターと、精神科ソーシャルワーカーとして21年間勤務する。2006年から佛教大学福祉教育開発センター実習指導講師、2016年から社会福祉学部講師。趣味は落語とスポーツ観戦。[著書]『社会福祉・介護福祉の質的研究法―実践者のための現場研究』編著(中央法規、2013年)『対人援助職のための「相談援助演習」ワークブック』共著(ミネルヴァ書房、2015年)『障害者に対する支援と障害者自立支援制度』共著(弘文堂、2015年)

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